まだ小さいから、これくらいでいいだろう
まだ子供だから、わからないだろう
大概の人はこう思っているのではないでしょうか。
それは大きな間違いです。
例えばピアノを習うということについて
子供がピアノを習いたいと言ってるけどいつまで続くかどうか。
家に楽器は無いけど、とりあえず習ってみて
続きそうなら電子ピアノも考えてみようかな。
残念なことですが、ほとんどの方がこのような考えを持たれているのが現状です。
安い物ならともかく、ピアノは大変高価で、また場所も必要です。
音も出るのでご近所様にも迷惑にならないよう配慮も必要です。
お気持ちはよ~くわかります。
でも・・・
子供だから・・・・・ではなく
子供だからこそ・・・・・
感性がまだ真っ白で、見るもの、感じるものが新鮮に感じられる子供の間に
普段の練習の時から本物のピアノに触れたり、本物のピアノの音を聴いたりして欲しいのです。
ピアノという楽器
私の小さいころは、グランドピアノとアップライトピアノしかありませんでした。
ピアノを習うならピアノを買うというのがあたりまえの時代でした。
グランドピアノとは、コンサートホールなどにある大きなピアノです。
アップライトピアノは縦型のピアノです。
私の家庭は裕福ではありませんでしたが、
両親はアップライトピアノを私に与えてくれました。
その後、エレクトーン、ドリマトーンという楽器が開発され
ピアノと並ぶ勢いで習い始める人が増えました。
エレクトーン、ドリマトーンなどはピアノとは違い
鍵盤が上下2段に分かれていて、足でも鍵盤を踏み、音色も多数あり
ピアノとは違った音楽を創りだしました。
でもやはり私はピアノの音が好きで、エレクトーンやドリマトーン
をやってみようという気持ちにはなれませんでした。
その後、ピアノは大きい、重い、音も大きい、高価である
という欠点?からか、
ピアノに代わる電子ピアノが開発されました。
電子ピアノはコンパクトで音もヘッドホンで聞くことができ、
価格も安く、ピアノの欠点?を見事に克服した画期的なピアノとして
瞬く間に広まったのでした。
ピアノ=電子ピアノ!?
あるレッスンの時に、一人の小学生の生徒さんが
「先生のピアノにはスイッチがないの?」
と私に聞きました。
私はとても驚きました!
その子の中で、ピアノ=電子ピアノというふうに
インプットされているのです。
ピアノと電子ピアノは全く違う楽器です。
ピアノに代わる楽器として開発され、
限りなくピアノに近い!とうたってる電子ピアノでも
やはり電子は電子の音で、鍵盤をおさえたタッチも全く違います。
ピアノは指や腕などの使い方などで微妙に音が変わります。
同じピアノでも弾く人によって音色が違います。
それほど繊細な楽器なのです。
ピアノが弾けること。良い音でピアノを楽しむこと
ピアノのレッスンでは、ピアノが弾けるようになることと、それ以上に
どのような音を出すのか、どんな気持ちで演奏するのかということがとても大切です。
なので、導入の一番大切な時期に楽譜を読む力と、音を作り出すことに力を入れています。
ピアノは誰でも音を鳴らすことができますが、
綺麗な音でピアノを弾けるようにするには
指だけでなく、手首、肘、肩、腕、座り方、
また足の位置など身体全体を使い、奏でた音をよく聴き、
そして心を込めて音を出すことが重要です。
そのためには、初めてピアノを始める導入時から本物のピアノに触れ、
正しいテクニックで良い音が出せるようにすることが重要です。
小さいからではなく、小さいからこそ本物の楽器を使った教育が大切なのです。
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