毎年欠かさず発表会を開催してきました。
そして毎回、発表会の大切さをしみじみ感じています。
ですが、
発表会を楽しみにしてくれる人と、恥ずかしいからイヤ!な人
と大きく分かれます。
発表会とは?人の前で演奏することとは?
まず、発表会を語る前に
そもそも音楽とは、音楽の定義とはなんでしょう
少し難しい言い方になりますが、
音楽とは、1、作曲 2、演奏 3、鑑賞
という三方面を持ちます。
1、作曲 作曲者の感じたことが創られ
2、演奏 その楽曲を演奏というかたちで再現し
3、鑑賞 そしてその演奏を視覚、聴覚で楽しむ観衆がある
音楽を創る人、演奏する人、鑑賞する人
この三つが揃ってはじめて音楽が成り立っているのです。
料理に例えるなら
1、農家の方が丹精込めて作った食材があり、
2、それを心を込めて調理する人があり、
3、そして、それを美味しい!と食べる人がいる。
といった感じでしょうか。
ピアノを習っているということは、2、の演奏、料理なら調理にあたる部分です。
■作曲家の熱い想いが楽譜になる
有名なショパンの「革命のエチュード」を例にあげてみましょう。
ショパンが生まれた1810年前後はフランス、イタリア、ポーランドなどで
争いが勃発し、ショパンの祖国ポーランドを守りたいという熱い想いが
「革命のエチュード」にこめられていると言われています。
■演奏家は、楽譜に書かれた音譜を音にして演奏する
ショパンの書いた楽譜「革命のエチュード」からショパンの想いを推し量りつつ、
自分なりの表現で演奏します。
■演奏する場=発表会
そしてその演奏家の演奏を鑑賞する人がいます。
これこそが音楽という時間芸術を生み出すのです。
こういった観点から考えると、発表する場=発表会というのは必要不可欠です。
子供のための発表会
普段のレッスンでは、
小さい生徒さんには特にたくさんの曲を練習してほしいので
どんどん新しい曲を弾いてもらいます。
このことは譜読みが早くなるという利点があります。
どんどん新しい曲を練習することも大切ですが
発表会の曲を長い期間をかけて練習することによって
一つの曲をもっと掘り下げて曲の持つ奥深さを勉強するという
普段ではなかなか出来ない練習ができるのです。
発表会で演奏する時間はわずか数分。
その数分のために、どれだけの時間、日数を費やすのでしょうか。
頑張って練習したこと、一つの曲に、ああだのこうだの考えながら取り組むこと
思うように弾けないこと、それをなんとか弾けるように練習すること
人の前で演奏する緊張感、演奏し終えた達成感、満足感。
そういった経験はとても素晴らしい財産になります。
そしてまた頑張ろうという意欲につながります。
発表会を経験することによって、一回りも二回りもの成長がみられます。
大人の生徒さんの発表会
先に書いた音楽の三方面の説明や、発表会という経験はとても素晴らしい!など
発表会の大切さを生徒さんに伝えても
いえいえ、私は趣味でピアノを習ってるし、家での練習も
戸を閉めて、弱音ペダル踏んで、音が聞こえないようにして
密かに練習してるのに、人前で弾くなんてとんでもない!!
と、大人の生徒さんは口をそろえておっしゃいました。
それを、半分だましつつ(笑)
お客さんはいませんよ。皆さんと私だけです。
間違っても、止まっても、弾きなおしても何でも有りです!
終わったら皆さんでお食事会しましょう!
という甘い誘いに乗った方。初めは4人。
ところが、発表会を終えたあと、直ぐに、
来年はあの曲を弾いてみたいわ!に変わったのです!!!
発表会に向けて頑張ったこと、そして皆さんの前で披露できた満足感や達成感が
次も頑張ってみよう!という思いに変わったのです。
そうして今年で大人の方の発表会は第16回を迎えました。
子ども達の発表会は第39回。
メリットだらけの発表会ですが、残念なことに、個人の思いを尊重し、自由参加にしています。
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