バイエル、ブルグミュラー、ツエルニー、

お決まりのピアノ教則本に疑問を抱いています。

バイエル教則本

ピアノに関わった方ならほぼ皆さんご存知でしょうか。

ピアノ教則本「バイエル」

この「バイエル」というタイトル。

実はフェルディナント・バイエルというドイツの作曲家であり、ピアニスト。

そうです。人の名前なのです。

ピアノ教師として生計をたてていたバイエルは、

初めてピアノを練習する者を対象とした教則本として

全106曲からなる練習曲を書きました。

右手がメロディ左手は伴奏という形がほとんどで、曲に題名はなく番号のみ。

バイエル教則本が日本に紹介されたのは1881年(明治13年)頃。

ピアノ=バイエルと言われるほど今日まで根強い人気で指示されています。

ブルグミルラー25の練習曲

そしてピアノを習っている皆さん、バイエル教則本を無事終了すると

決まって手渡されるのが「ブルグミュラー25の練習曲」

この教則本は、きれいなメロディだったり、変化にとんだ魅力的な曲が多く、

また曲に題名がついていて、発表会でお目見えする機会も多いです。

他に「ブルグミュラー18の性格的な練習曲」もあります。

このブルグミュラーというのも、またまたドイツの作曲家。ヨハン・ブルグミュラー。

バイエルと同じころに活躍した音楽家です。(1820年頃)

ツェルニー、ハノン

ブルグミュラーを数年かけて終了、または、ブルグミュラーと並行して

練習することになるのが「ツェルニー」や「ハノン」

ツェルニー100番、110番、30番、40番、50番、その他左手のための、など多数。

ハノンは、他の練習曲とは異なり、指の練習のみに特化しています。

そろそろお気づきでしょうか。

そうです。ツェルニーはカール・ツェルニー。オーストリアの作曲家、ピアニスト。

ハノンはシャルル=ルイ・アノン。フランスの作曲家。

そうなんです。ピアノを習うと必ず出会うこれらの教則本の名前は

みんな教則本を作曲した人の名前です。

バイエル➡ブルグミュラー➡ツエルニー・ハノンという図式

ピアノを習い始めてツェルニーあたりまで進んでくるのに

個人差はありますが、早い人で数年、そして10年くらいかかる人も。

もちろんバイエルで挫折する人も多数。

これってどうなんでしょう?

私は大いに疑問を持っています。

例えば5歳からピアノをはじめたとしましよう。

順調に進んでバイエル2年。ブルグミュラー2年。9歳になっています。

5歳から9歳の非常に多感な時期にバイエルとブルグミュラーだけ?

絵本にたとえたら「ももたろう」と「きんたろう」しか絵本を読んだことがない??

みんなが知ってる有名な作曲家たち

作曲家はもっとたくさんいたはず!?

あの有名なバッハやベートーヴェン、モーツァルトはどこに?

大切な幼少期にバイエルとブルグミュラーだけで大きくなり、

憧れのショパンが弾けるのでしょうか?

バイエルもブルグミュラーもツェルニーもハノンも皆、素晴らしい教材です。

問題なのは、それしかしない ということです。

バイエル、ブルグミュラーと並行して、バッハ、ハイドンやモーツァルト、

ヴェートーベン、ショパン、カバレフスキー、バルトークなどの

子供向けの曲も弾いてほしいです。

「ももたろう」も「きんたろう」も読み、「星の王子様」や「ルドルフとイッパイアッテナ」

も読んでください!

バイエルだけで精一杯?

なら、バイエルを全部やろうとしないで、大切と思う曲だけにして。

そして、バッハやベートーヴェン、モーツァルトの曲を!

できるだけたくさんの作曲家の曲に触れ、テクニック、感性を磨いてほしいです。