毎年、欠かさず開催している発表会ですが。

人の前でピアノを弾くのが怖い、緊張して手足が震える、頭が真っ白になる・・・

などということをよく聞きます。

いわゆる「あがる」ということです。

では、どうしたら「あがる」ことなく、人前で気持ちよく演奏できるのでしょうか。

残念ですが、それは所詮無理な話なのです。

えっ!そんな!無責任な!

いえいえ。大丈夫です。所詮無理な話ですが、

「あがる」ことを少しでも和らげる方法はたくさんあります!

ではそもそも「あがる」ということはどういうことなのでしょうか。

「間違えないで弾きたい」「上手に弾きたい」「たくさんの人の視線を意識する」・・・

のように、良く思われたい、完璧に弾きたいという思いが強い場合に

人の前に出ると緊張してしまって思うような演奏が出来ないという状態のことです。

「あがる」を克服するために一番大切なことは、

自分に自信を持つことです。

そのために出来ることは、自分に納得がいくまで練習を重ねることです。

発表会で1曲わずか数分の曲のために

何千何万回、何千何万時間かけて練習をします。

オリンピックの選手も同じですね。

発表会(大会)の日に向けて、その時、その瞬間のために

努力を重ねる。

家で100回間違えずに弾けたとしても

本番に間違えずに弾けるという保証は何処にもありません。

オリンピック選手も、すごい自己ベストを持っていたとしても

オリンピック大会のその時に実力が出せなければ金メダルは取れないのです。

「時の芸術」と言われる所以はこういうところにあるのですね。

練習が足りてないと、私はヘタだから・・・などと

余計なことを考えてしまって、不安になり、緊張が増します。

私は今日のこの日のために一生懸命練習したんだから大丈夫!

と思えれば、押し寄せる緊張にも毅然と立ち向かえるはずです。

あと、事前に出来ることは

発表会の雰囲気を思い浮かべて、緊張する雰囲気を作り出し、その中で演奏する。

例えば

発表会で着る服や靴を身につけて練習する。

お家の人や友達に演奏を聴いてもらう。

誰も聴いてくれる人がいなければ、ピアノのそばにぬいぐるみを並べてみる。

ぬいぐるみでも結構、緊張します。(笑)

録音してみる。

照明を少し暗くして、ピアノの鍵盤あたりにスポットライトをあてる。

等々。

ぬいぐるみのお客さん

そして緊張を作り出した場面では

必ず、間違えても止まらずに1曲弾ききることが大切です。

もう一つ。

間違って当たり前。間違うことを前提として弾ききる。

発表会では間違っても当然と常日頃思っていれば

仮に本番で間違ったとしても、想定内の出来事なので

アタフタして頭が真っ白になったりはしません。

本番で間違わずに弾けたら儲けもの!くらいの気持ちで臨みましょう。

でも、本番で実力が出せるよう、日々の努力は欠かせません。

かく言う私も、もう数えきれないくらいの回数、人前でピアノを弾きました。

が、やはりあがります。

音楽大学時代の試験といえば、もちろんピアノを弾くこと。

卒業してウン十年、今だに、ピアノ試験直前の、舞台袖に待機している

緊張爆発寸前の時の夢や、もうすぐ出番なのに何も弾ける曲がない!!!

などという恐ろしい夢を見ます。

どうしたらあがらないで気持ちよくピアノが弾けるのか・・・。

永遠の課題ですが、ある程度は克服できるようになってきました。

が、今でも本番でピアノの前に座ると、手が震えます。